セルフハグって何?
ハグには、心を落ち着けたり、安心感をもたらしたりする力があります。
でも、誰かに抱きしめてもらうだけがハグじゃないんです。
自分で自分をハグする「セルフハグ」でも、ちゃんと効果があるって知っていましたか?
しかも、いつでもどこでもできる、心のセルフケアとしてとっても優秀なんです。
この記事では、セルフハグと「セルフよしよし」のやり方や、その効果について、やさしくご紹介します。
読んだあとには、きっとあなたも自分をぎゅっとしたくなるはず…
セルフハグの科学的メリット
セルフハグとは、自分で自分を抱きしめること。
それだけで、心と体にうれしい変化が起こるんです。
主なメリットはこちら:
● 気分が明るくなる
● 不安や落ち込みがやわらぐ
● 自尊心が高まる
● ストレスホルモン「コルチゾール」が減る
● 免疫を支える「NK細胞」が増えて活性化する
コルチゾールは、ストレスを受けると過剰に分泌されてしまい、免疫力を下げる原因に。
でも、ハグにはそのコルチゾールを抑える働きがあるんです。
さらに、ある研究では腕をクロスして組む姿勢が、体の痛みをやわらげる効果もあると報告されています。
セルフハグは自然と腕をクロスするので、同じような痛みの緩和が期待できるんですね。
セルフハグ&セルフよしよし
のやり方
ハグ編:
自分をぎゅっと包む🤗
やり方
● 両腕を体にまわして、自分を抱っこするように
● 肩や胴体、首や頭に手を添えてもOK
● 「ありがとう」「お疲れさま」など、声をかけるとさらに効果アップ!
おすすめシーン
● お風呂の中で湯気に包まれながら
● 布団の中で眠る前に
● 歩きながら、立ちながら、座りながら…いつでもどこでも
よしよし編:
やさしく撫でる安心感
やり方
● ハグしながら、肩や頭、首をなでたり、ぽんぽんと軽くタッチ
● できれば肌に直接触れると、ここちよさが増すよ
● ゆっくり、やさしく、心地よさを感じながら
おすすめポイント
● 手の甲を撫でるのがとってもおすすめ!
一方の手のひらで、もう一方の手の甲を包み込むようにして、ゆっくり往復させるだけ。
これなら、ハグとセットじゃなくても、いつでもどこでもできるよ。
科学的なしくみ
● やさしく撫でると、皮膚にあるC触覚線維という特別な神経が反応します。
この線維は、秒速3〜5cmくらいのゆっくりした撫でに最もよく反応し、脳に「心地よいよ〜」って信号を送るんだって。
私のお気に入り
セルフハグ
いろいろ試してみた中で、今のお気に入りはこのスタイル。
椅子に座って…
● 右手は左肩へ
● 左手は右わき腹へ
● 頭を左肩にそっと乗せて
● ゆっくり左右に体を揺らす
そのまま、肩や頭をなでたり、ぽんぽんと軽くタッチ。
「おつかれさま」「よしよし」って声をかけると、さらにほわ〜っと心がゆるむよ。
簡単バージョンもあるよ!
● 両手を反対の二の腕に当てて、上下にさすさす
● これなら、立ってても座ってても、いつでもどこでもできちゃう
自分に合った、ここちのいいやり方を見つけてね。
セルフハグは、誰かの代わりじゃなくて、自分とのやさしい対話なんだよ。
皮膚感覚とホルモン
のふしぎな関係
皮膚は「露出した脳」とも呼ばれています。
それは、皮膚と脳がもともと同じ細胞から生まれたから。
赤ちゃんは、五感の中でもまず皮膚感覚を発達させます。
肌から伝わるぬくもりややさしさは、脳にダイレクトに届き、 心や体の発達、情緒の安定、社会性の土台を育てていくんです。
大人になっても、それは変わりません。
マッサージや美容院、整体、ペットとのふれあい… 私たちは無意識のうちに、触れられることで安心を求めているのかもしれませんね。
やさしく触れると、
脳がよろこぶ
やさしいタッチには、特別な神経が関わっています。
それが「C触覚線維(C-tactile fibers)」。
この線維は、秒速3〜5cmくらいのゆっくりした撫でに反応して、 「心地よい」という感覚を脳の“情動”をつかさどる部分に届けてくれるんです。
その結果、脳内ではこんなホルモンたちが分泌されます:
● オキシトシン(愛情ホルモン):安心感や信頼感を高め、ストレスをやわらげる
● セロトニン:心を落ち着け、気分を安定させる
● ドーパミン:やる気や快感、幸福感をもたらす
この3つは、「幸せホルモン三兄弟」とも呼ばれていて、 やさしく触れることは、まさに脳をなでるような行為なんです。
自前のハグで、
幸せアップ!
触れることは、心と体にとってとても大切なこと。
それは、赤ちゃんだけじゃなく、大人になってもずっと続く“こころの栄養”です。
ペットをぎゅっとしたり、木にそっと抱きついたり。
誰かとハグするのも素敵だけど、セルフハグなら、いつでもどこでも、自分のタイミングでできる。
「セルフでハグなんて…」と思わずに、 ぜひ、ぎゅっと自分を包み込んでみてください。
そして、よしよしと撫でてあげてください。
それは、自分自身へのやさしい対話。
「ここにいるよ」「がんばってるね」「ありがとう」って、 自分の手で、自分の心に伝えてあげること。
今日のあなたに、そっとハグを。
そして、明日のあなたにも、またひとつよしよしを。
参考文献
- Dreisoerner et al. (2021). Self-soothing touch and being hugged reduce cortisol responses to stress: A randomized controlled trial on stress, physical touch, and social identity.
- Gallace et al. (2011). The analgesic effect of crossing the arms.

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