分かってほしい相手に、分かってもらえる伝え方

なんで分かってくれないの?という問題について考えてみます。
伝えたいことを『Iメッセージ』で伝える方法についてもお伝えします。

もくじ

なぜ分かってもらえないのか?

言葉で伝えていますか?

日本人は『察する』とか『空気を読む』ということを大切にする傾向がありますよね。

だから、わざわざ言葉で言わなくても、雰囲気で察してほしいと思うこともあるかもしれません。

が、それには少々ムリがあります。

私たちは自分のものさしで人がどう感じているかをはかろうとします。

自分ならこう思うから、人も同じように思うだろうと私たちは考えがち。

カウンセリングを行っていると痛感することなのですが、同じ出来事に対しても、人が感じることは本当にそれぞれです。

例を見てみましょう。

職場で仕事を上司から任されたとします。

  • ある人は「上司に信頼されてるんだ」と感じてやる気を出します。
  • ある人は「なんで私なの。もっとヒマな人にやらせればいいのに」とイライラします。
  • ある人は「失敗したらどうしよう。自分にできるだろうか」と不安になります。

同じ状況でも、人の受け取り方はいろいろです。

そう他人がどう思っているかなんて分からないのです。

それなのに、相手の気持ちを勝手に決めつけたり、自分の気持ちを伝えずに分かってもらおうと考える。

これがどれ程すれ違いを引き起こすことか!
コミュニケーション不足が人間関係の問題のほとんどの原因と言っても過言じゃありません。

自分が分かってほしいのであれば、自分の気持ちを話す必要があります。

伝えないと伝わりません。

相手を批判してませんか?

いやいや伝えてるよ、っていう人もいると思います。
何度言っても分かってくれない、と。

どんな風に伝えているのかを思い返してみてください。

相手を批判したり、責めたりしてないでしょうか。

なかなか分かってもらえなくてイライラ、もやもやして、知らず知らず(あるいは意識的に)相手を責めてしまっているかもしれません。

責められると、人は守りに入ります。
大体こんなパターン・・

・反撃してくる
・分かったフリをする
・話すのを避けようとする

責められたくない、という気持ちが勝ってしまうので、あなたのことを分かろうとする余裕はありません。

批判になりがちな伝え方
Youメッセージについて

責めてるわけじゃない、と思うかもしれませんが
相手が責められてると感じれば、こちらの気持ちを分かってもらうことはできません。

批判的になりやすい伝え方というのがあります。
相手を主語にする言い方です。

例えば、会話の中で相手の言い方が気になって
「その言い方何なの?」
と相手に言ったとします。

これは、「あなたのその言い方は何?おかしいでしょ」
っていう意味合いになると思います。

この場合、「あなたは間違っている」というメッセージが相手に伝わります。

相手が変わるべきだと言ってることになります。
相手は批判されたと感じます。

こんな風に
あなたは○○」という言い方のことを
Youメッセージ
といいます。

「あなた」メッセージ ということです。
「あなた」を主語にするとき、相手をジャッジする話し方になりやすいです。

分かってもらえる伝え方 
~Iメッセージ

Youメッセージ とは反対に 『Iメッセージ』というものがあります。
臨床心理学博士のトマス・ゴードンが提唱しました。

Iメッセージの ”I”とは「わたし」の ”I”です。

  • Iメッセージ ・・主語は ”わたし”
  • Youメッセージ ・・主語は ”あなた”

「わたし」を主語にした伝え方

Iメッセージでは、自分を主語にして自分の気持ちを伝えます。

先ほどの、「その言い方何なの?」をIメッセージで伝えるとすると、こんな感じになります。

「そんな風に言われると頭がパニックになって焦ってしまうから、もう少し優しい言葉で話してもらえるとうれしいな」

っていう感じ。

このときの主語は、「わたし」です。

相手の言動による影響(私がパニックになる)と感情(私がうれしい)を伝えるのがコツです。

相手を責めたり、変えさせようとしない。
困っているのは自分(協力をお願いする)というスタンス。

なんで?相手が悪いのにと思う時もあるかもしれません。

でも、わたしが困っているのなら、わたしを主語にして伝えてみましょう。

すると相手には「協力してほしい」ということが伝わります。

相手からすると、攻撃されてないし、指示されてもいないので、話を聞いてくれやすくなるし、協力してもらいやすくなります。

偽物のIメッセージ

一見、Iメッセージと思える言い方でも、そうじゃない場合があります。

例えば、「そういう言い方ってよくないと私は思うよ」って言ったら、主語が「わたし」だから、Iメッセージに思えるかも知れませんが、これはYouメッセージです。

「そういう言い方をするあなたはよくないよ。あなたは間違ってるよ」という裏メッセージが伝わります。


秋の遠足に行ってきました。

分かってもらうために必要なこと

なぜ、ついつい Youメッセージ になってしまうかというと次のどちらかです。

  1. 実は自分の気持ちが自分ではっきり分かっていないから
  2. 本音を言いたくないから

Iメッセージで相手に気持ちを伝えるためには、まず自分の本音に気づく必要があります。

その1. 自分が自分の気持ちを分かってあげること

相手に自分の気持ちを分かってもらうためには、「言葉で伝えること」「相手を批判しないこと」と言いました。

しかし何より大切なのは
自分が自分の気持ちを分かってあげること。

これなしでは誰にもほんとうの気持ちを分かってもらえません。

自分が分かっていないことは、他の人にも分かりません。

先のケースで見てみます。

「そういう言い方をしてほしくない」と思うのは何故でしょう?
そういう言い方をされたらどんな気持ちがするのでしょう?

腹が立つ?
なぜ?
そんな言い方はするべきじゃない?
なぜ?
・・・・そんな風に自分の心に質問する。

大事に思われてないと感じるのかもしれないし、見下されたと思うのかもしれない。

どんな感情があるのでしょう?

それが例えば『悲しい』のだとしたら、その『悲しい』が本当の気持ちです。
だから、『悲しい』を伝えます。

その2. 本音を伝える勇気

そんなことできない、って思いますよね。

「悲しい」とか「助けてほしい」、「さみしい」、「大切にしてほしい」っていう本音は、分かってほしい相手ほど、伝えられないですね。

「死んでも言えない」ってみんな言います。

できないから Youメッセージで遠回しに自分が傷ついていることを分からせようとするわけです。

本音を言ったら、拒否されたり、あるいは自分が不利になるんじゃないかと思うからです。

でも、そう思っているのは自分だけで、いざ勇気を振り絞って伝えてみると、あっけなく受け入れてもらえたりします。

自分の気持ちをちゃんと理解して、勇気を出して素直に伝えてみてくださいね。

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