悩みの根本にある “いい” と“わるい” のものさし

いいわるい

どんな悩みや苦しみでも根っこの部分は同じです。
だから、この根っこの部分に気づかないでいると根本の解決には至らないのです。

もくじ

“いい” と“わるい”

カウンセリングでは、いろんなお話を伺います。

恋愛の悩み
自分の性格やコンプレックス
職場の人間関係
家族のこと

いろんな悩みや苦しいことがあります。

でも、どんどん掘り下げていくと行きあたるものがあります。

“いい” と “わるい”

です。

正しいか間違っているか。損か得か。
優劣・・なんかも根本的に同じです。

悩むのは、物事を “いいとわるい” に分けて、“わるい” を避けているからです。

無意識でいると
振り回され続ける

私たちは、この “いい” と “わるい” に捉われています。
でも、とらわれていることに気づいていません。

自分では、したいと思っているからやっているつもりのことも、実は “いい” になりたいからだったり、“わるい” を避けたいからだったりします。

純粋にやりたいから(楽しいから)やっていることは少ないのです。

“いい” と “わるい” に
こだわる理由

なんで “いい” になりたい、“わるい” を避けたいのか。

『 “いい子” でいないと受け入れてもらえない』

小さい子どもの時、私たちが本能的にそう思ったからです。

子どもにとって、親に受け入れてもらえないのは死活問題です。

親(や養育者)に見放されたら生きていけません。

親に見放されることは、とてもこわいことなので、なんとかして見放されないようにしていなければいけません。

繰り返し何度も心に刻み込んだ “いい” と “わるい” が心の基準になります。

“いい” でいないと嫌われる。
“わるい” と受け入れてもらえない。

そして、親だけでなく周囲の人たちに対してもこの “いい” と “わるい” のものさしで接するようになります。

“いい” と “わるい” が自分の存在価値と結びついてしまったのです。

大人になった今では、親に見放されるなんてことは何とも思ってないかもしれません。
でも、幼い頃に心に刻んだ “いい” と “わるい” のものさしは、そのまま残っています。

“いい” でいるようにするのは当たり前でしょう。
わるいことしていいってこと?

っていうふうに “いい” と “わるい” という枠組みで物事をとらえるのは当然のことだと疑わなくなっている。

いい=存在価値

意識していなくても、存在を受け入れてもらいたいから私たちは “いい” でいることにとらわれてしまっているのです。

苦しみの理由

“いい”でいることの
何が問題なの?

“いい”か“わるい”かに知らず知らずにとらわれていることが私たちの幸せをジャマします。

やりたいことをやっているつもりでも、実は自分の存在を人に受け入れてもらいたいからやっていたりする。

でも、心は満たされない。

ほんとうに心が望んでいることをしない限り幸せにはなりません。

どこまで行っても
絶対的な“いい”はない

『よくありたい』と思って行動したとしても、他の人がそれをいいと思うかはわかりません。

誰にとっても”いい”でいることは不可能なことです。

例えば・・・

仕事で後輩のAさんがミスをしたケースを考えます。

先輩Bさんは、寛大なのはいいこと、と考えている。

だから、後輩のミスに関して特に指摘することなく大目に見てあげた。

先輩Cさんは、きちんと指導してあげるのがいいこと、と考えている。

だから、ミスをちゃんと指摘して次から間違わないようにミスの原因を聞き取った。

CさんにとってBさんの行動は、 “いい” とは映りません。

ミスしたらきちんと指摘して教えてあげるのがいいことなのだから、Aさんの行為は放置。
だから “よくない”、ととらえるかもしれません。

いいことだと思ってやったことでも、ある人にとってはいいことだし、ある人にとってはよくないこと。
そしてある人にとってはどうでもいいことだったりします。

だから、“いい” にこだわって行動したとしても報われないのです。

“いい” と “わるい” は、幼いときに家族や身の回りの社会の中で、小さい私たちが身につけたものさしです。

親にとっての “都合がいい” だったり、自分が思い込んだ “わるい” ことだったりします。

つまり環境や状況によって “いい” と “わるい” は変わる。

誰にとっても “いい”、誰にとっても “わるい” という絶対的な『いい・わるい』はありません。

幼い時には、そのものさしは役に立ちました。
家族の中で自分の場所を確保するためにはそうするしかなかったかもしれない。

でも、そのものさしは今の『職場や恋人、友達』には当てはまらないことが多いです。

がんばっても思うようにいかない。

自己否定が
苦しみの理由

『いい・わるい』思考でいると、自分や人をジャッジしてしまいます。

いいかわるいかに切り分けることは、自分のことを2つに切り分けて、悪い方をなきものにしようとすることです。

自分は “いい” と自分で思いたい。
人にも “いい” と思って欲しい。

例えば

マサオくんは、依存することは悪いことと思っている。
だから自分の中の依存的な部分を排除しようとする。

わからないことがあっても聞かない。
自分で解決する。

ちょっと周りにヘルプを頼めば楽なのに・・
抱え込んでしまうので仕事が進まないし、ミスも増える。
ストレスがたまってイライラ・・

あー、なぜうまく行かないんだ。
自分が情けない。

それでも、人に頼ったりしたくない!

仕事でできないと思われたくない。
弱い部分を見られるのははずかしいことだ。

それなのに、あいつは自分で努力しないで人に頼ってばかりいる。
許せない!

こんな風に自分の行動を制限します。

自分の中のある部分を無きものにしようと否定している。
これは自己否定です。

ほんとうの苦しみの原因は自己否定。

それで、ストレスを感じたり、自分が情けなくなったりする。
それと同時に周りの人たちに腹が立ったりもする。
ジャッジばかりしてしまいます。

無きものに
しているのは
何か

『いい・わるい』を判断基準にしていると、自分の存在価値を感じられなくなります。

自分の中のあってはならない、と特定の性質をなきものにしようとしている。

それが何なのかに気づいて認めることができると自分を受け入れられるようになります。

自分自身のことを受け入れられるようになると、他人を受け入れることもできる。
人にも受け入れてもらえるようになります。

『それだけはしたくない』って否定してることありません?

それ、やってもいいことにすると自分と仲良しになれますよ

いいわるい

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