カウンセリングでは身の回りのいろんな出来事や人間関係で困っていることについて話をお聞きしますが、相談者の方の感情の解放が大切になります。
でも、その感情の解放は一筋縄では行かないんですね。感情の解放について考えてみたいと思います。
抑圧した感情は何度もぶり返す
私たちは感情をそのまま表すということをよしとしていないことが多いですね。
『感情の起伏が激しい人』とか『感情のコントロールができない人』って聞くとあまりいい印象を持たないですよね。
特に負の感情をあらわにするのはよくないことだと思われることが多いと思います。
だから負の感情を感じること自体をよくないことだと考えて知らず知らず抑え込んでしまうクセがついてしまうのです。
抑え込んだ感情は消えてなくなることはありません。
その感情に触れないようにしていると過ぎ去って行って楽になったような気持ちになるかもしれません。
でも、その感情をチクチクと刺激されるような出来事が繰り返し起きます。
消化されていない感情があるから、それを思い出させるような出来事や人が現れるのです。
身体の症状として現れることもあります。
でも、その時私たちは自分の感情を放ったらかしにして目の前の出来事や人のことばかりに着目して、『どうやって解決しようか』、あるいは『この状況から逃げ出そうか』と考えがちです。
でも、そのやり方ではなかなか解決しないのでぐるぐると同じことを考えて悩みが深くなってしまいます。
このとき必要なことは、放っておいた自分の感情の方に注目することです。
つらい気持ちに注目して感じることはしんどいですよね。でも、抑え込んだ感情は心の中にとどまっています。
だから、人の言葉などでぶり返されて何度も何度も味わうことになります。
感情を消化するには感情をしっかり味わうことです。味わった感情はなくなっていきます。
感情は感じるもの
シンプルで当たり前のようだけど、なかなか簡単にはいきません。
私たちは幼いころから感情を抑える訓練をして、今でも気づかないでごく自然にそうしているからです。
『マイナスの感情に捉われずにプラスの面を考えなくては』と思うかもしれません。
でも、きっとこれまでも何度もそうしようとしてうまくいかなかったんじゃないでしょうか。
感情はコントロールするものではありません。
感情には『良い感情』も『悪い感情』もありません。
こわいかもしれないけれど、ただ味わってみてください。
それが感情を解放することです。
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